ヘブル11

ヘブル11、エレミヤ18−19

「彼らは信仰によって、国々を征服し、正しいことを行い、約束のものを手に入れ、獅子の口をふさぎ、火の勢いを消し、剣の刃を逃れ、弱い者なのに強くされ、戦いの勇士となり、他国の陣営を敗走させました。」ヘブル11:33−34

信仰の章と言われるヘブル11章で、信仰の人が列挙された後にこの聖句が置かれている。
賛美にもなっている聖句である。勇ましい記述が並んでいるが、後半に「弱い者なのに強くされ」とあるのに注目したい。
彼らが皆強い人ではなかった。かえって弱い人だったから神様の力が働いたことがわかる。強くしてくださるのは神、そして神の力によって勇敢な心と働きをさせてもらったのである。

次の35節からは、もっと素晴らしいよみがえりに預かるために、拷問を受け殺された人たちの様子が続く。この世は彼らにふさわしくなかったこと、天を見上げ続けたことが書かれている。

何よりも、信仰の人たちは、その信仰は素晴らしいが、約束されたものを地上で得たわけではないというのが興味深い。
願望や祈りが全て聞かれたわけではない。それでも、神が約束をしておられることに期待し、まだ見ないものを見るかのように生涯を終えたのである。

祈りが聞かれないから神はいない、と短絡的に言えないことが、この箇所からもよくわかる。それでも、私たちの気持ちや願いを神に申し上げ、神と対話し、神のみ思いに少しでも近づき、神に力をいただき、神に励まされて毎日を生きていくのである。神は関係を求めておられる。神は交わりを願ってくださっている。